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フリエンドス番外

「よっ、はっ」

 古典的な掛け声をあげながらレースゲームに集中する古泉。
 ボードゲームの腕もあれだが、テレビゲームの腕もあれだった。
 今のところ俺の全戦全勝である。一人用で練習させたが結果は変わらない。

「なぁ、古泉よ」

 画面を見つめたまま、声をかけた。
 古泉にしては珍しく、切迫した返事がくる。こんなもんで切迫すな。

「は、はい。何でしょう?」
「カーブを曲がるときにな、体は傾けなくて良いと思うぞ」
「すいません、つい……」

 と恥しそうに俯く古泉の運転する亀の大王は八位。俺の運転する緑の恐竜は一位。
 何度やっても変わらぬ結果に妹とも対戦させてみたが、

「古泉よ」
「な、なんでしょう」
「ゲームの中だから良いけどな、現実世界じゃ逆走は絶対ダメだからな」

 わーい、やったー!
 という妹の歓声を尻目に、古泉は終わらぬ二周目を走行中である。
 ……これも一種の才能かね。やれやれ。
by kyon-haru | 2006-05-07 02:42


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