・ウホーオォ!
やる夫がナントカシリーズが面白くてまとめサイト眺めてたら翌日になっていた。
何を言っているか分かると思うが、一週間で原稿用紙400枚の小説を書けちゃうやる夫はごっつい才能があるので、あれを見て「俺も!」と思ってはいけないのである。
馬鹿田工業土木科に通いたかった!
ODENその2追加してます。
鶴屋にゃんとみくるにゃん消化! 猫はどうした。旅に出た。
・拍手返信
さりげなくおでん話がカオスにwww
>たくさんキャラ居るのにもったいないよなーとか思いまして。
面白いんじゃね? と思いついたことを全部積み込んでいきます。イコールカオス!
ちくしょう、幼なじみみくるとか反則だぜ。
>どうしても二人乗りさせたかった……。
憧れの人っていう位置だったのを真逆? の一番身近な人に置き換えただけともいう。真反対配置って二次創作じゃ結構鉄板ですよね。
こ、これは?!空鍋ENDですね?わかります。
>そ、そして「え? おめーかよ!」っていうキャラとくっつくんですね!
ごめんアニメ2話くらいしか見てないしゲームもやってない。ウィキから仕入れた知識でした^^
おや、榊ガンパレ読者であられましたか。あれを破綻させずにオリジナル展開書けるのは凄いよねー。
>100万部っていう売れ行きを「少ない」と感じるくらいには面白いですよねー。
メインキャラと絡むオリキャラは控えめで、オリだけの話に登場するオリはちゃんとキャラ立ってて、うめえなーとしか言えないわ!
いいぞODENもっとやれ
>頭馬鹿にして書けるのってすばらしいよね!
・ODENその2の2その2おしまい
今日の弁当のおかずはなんだろうな。全体的に洋風にしてみたって言ってたよ。ほうそりゃ楽しみだ。
なんて他愛無いにもほどがある会話を交わしつつ、チャリ漕ぎというスポーツのはしくれで煩悩を退散させていると、あと地獄坂までもう半分といったところで国産車では醸し出せない独特の重低サウンドが背後から近づいてきた。
古いアメリカの大統領の名前を冠する高級車は上品に聞こえるのは俺の耳が貧乏だからだろうね、という小さめなクラクションを一つ鳴らし、いったい幾らほどの値段差があるか想像もつかないチャリを追い抜くくと十メートルほど前方で停車する。
パワーウィンドウが開ききるタイミングでその横に到達し、同じく停車して、
「二人とも今朝もラブラブ登校なんだねーいいねいいねーやけるねぇ」
にょろっと顔を出したクラスメイトは毎度元気に聞き捨てならないことを言う。
「おはよう、鶴屋」
「おはようございます、鶴屋さん」
「おいっすー! 二人とも元気? わたし? わたしは今日もめがっさ元気だよっ」
それだけ元気なら俺たちのような庶民を見習って自転車通学しやがれ。
それとだな、というかコレが毎回の俺が言いくて堪らない台詞なんだが、
「ラブラブなぞしとらん。……と突っ込むのももう疲れたから、次からはスルーするからな」
なぜか背後からとほほと遣り切れないといった気配を感じ、どういうわけか停車しているというのに胴に回された腕がきゅっと力を込めた。
それを目ざとく観察していたにょろにょろ娘は天晴れとさわやかに笑い、
「あははっ。みくるは素直なのに素直じゃないねー。それじゃわたしは先に行ってるから、二人とも遅刻するんじゃないにょろよっ!」
にょろよーにょろよーにょろよー、とやけに耳につくエコーを残しながら軽やかに去って行った。
エンジン音より耳に残るだなんてどういう声帯をしているんだろうかとくだらない事を考えつつ、発車する前から準備万端な幼馴染に一声かけてから、こちらも出発である。
「……」
「……」
で。
なぜか無言である。タイヤが回転する澄んだ音が響くばかりで、何も会話が無い。
そりゃ二人ともあまりべらべらお喋りするタイプじゃないが、……分かってるさ、なぜかだなんて言ったが、毎度ああも直球にラブラブだの夫婦だのバカップルだのからかわれては意識するなと言われるのが無理な話で、つまり気恥ずかしくって口を開くことが出来ないのだ。
顔を合わせていないのに体は密着という妙なシチュも影響しているのかな、なんて酸素消費の増大以外の理由で心臓の鼓動をちょいとばかし早くさせながら、結局決まって先に口を開くのは俺の方なのだった。
「みくる。……みくる?」
「あ、な、なに? どうしたの?」
「お前さ、あーいう登校どう思うよ?」
それが鶴屋のことを指しているんだという事に気づくのに暫くかかったようで、若干の間を置いて、
「……ちょっと羨ましい、かな。車ならキョンくんも疲れないし」
えへへ、ごめんね。としょんぼりした声でみくるは締めくくった。
やれやれとは声に出さずに呟いて、俺は鼻から息を出し体の力を抜き、アホ、と前置きをする。
「どんだけお前をケツに乗っけて走ったと思ってるんだよ。やれ学校だやれお遣いだ。最初はバテバテだったけどな、今じゃ競輪選手を目指すのも良いかなってぐらいには楽勝だぜ」
それになにより。
「……あんな高級車に乗ったら緊張で余計疲れる」
俺の言葉にみくるは暫く呆気にとられたようで、捕まる腕の力がふわっと緩んだ。
そのままずるずると落ちてしまいそうな気配を感じた俺は自転車を慌てて停めて、
「みくる?」
そう声をかけて後ろを振り向こうとしたところで、再び腕に力が込められた。
すんすんと鼻をすする音が聞こえて、何なんだよといぶかしむ。やれやれと今度は声に出して漕ぎ出そうとしたところで、みくるが調子を取り戻した。
「あたしもきっと緊張しちゃう」
「だろ」
鶴屋は金持ちを鼻にかけない良いやつだが、やっぱりどこかがちょっとずれている。逆玉の輿に憧れんでもないが、もしそうなったとしたら息苦しさにすぐにまいってしまうだろうな。
だからだ。
「俺にはママチャリで、お前はその荷台がお似合いだよ。……なんか時間くったな、さっさと行こうぜ」
うんっ、と答える声はやたらめったら元気で、今まで以上に押し付けられた卑怯な弾力に俺は脳内をパステルピンク一色に染めながら、心の何処かで思うのだった。幼馴染じゃなかったらこんなヤツと二人乗りなんて夢のまた夢だったんだろうなと。
………………
…………
……
坂の麓まで来て、どっこらしょっとときたもんだ。
流石に二人乗りでこの坂を駆け上るのは朝からハードワークにもほどがり、ワーカーホリックでも何でもない俺はみくるを下ろし、チャリを手で押しながらえっちらほっちら徒歩で上る。
煩悩退散全速前進の割りにはあまり疲れてないわれながらたくましい足腰を少し誇らしく思いつつ、本気を出した蝸牛と良い勝負なみくるの歩調に合わせてのほほんとしていると、
「やぁやぁ二人とも久しぶりだねっ」
時速数倍の速さで先行したはずのにょろっ子がなぜか後ろからやって来た。
「突っ込んでやらねーぞ」
「鶴屋さん、おひさしぶりです」
律儀なみくるを再び目ざとく観察すると、にんまりといやらしい笑みを浮かべ、
「キョンくんにしては上出来だねっ」
どういうワケか俺の肩をばんばんとたたいてきやがった。
何なんだよおい。
「ふひひ。なんなんだろうねー? ね、みくる?」
「えぇ? う、うーん……じょ、上出来かな」
口元に指を当てて考えるような仕草をする癖に同調しやがる。何故窺うように俺の顔を見るのか。
本当に一体全体何なんだよおいおい。
二人はすっかり意気投合したのか顔を見合わせてうふふえへへと風にそよぐ白つめ草のように笑い合い、
「それが分かっちゃったらキョンくんじゃなくなっちゃうから」
「そういうことだねっ」
「なんだそりゃ……」
やれやれと肩を竦める俺を見て鶴屋は「いつものでたー!」と何故か喜びはしゃぎ、みくるはうふふと上機嫌に微笑んでいる。
何がなんだか分からないが、二人が楽しそうなので別に良いかと思う俺は案外フェミニストなのかもしれないと、後で思い返して自分のキャラじゃねーよな薄気味悪くなるようなことを考えていた所為だろうか。
アホの谷口がさっきから恨めしそうな視線でこちらを睨んでいるのを発見して、一匹の雄として勝利した笑みを向けてやろうと振り返ったところで、
「おはようございます、みなさん」
「顔近っ!」
何時の間にか背後に忍び寄っていたそいつに気づかず、満面のドアップといきなりご対面した俺は数センチほど地上から浮いて後退った。とっぴな叫び声でさえ中々恥ずかしいというのに、余分な恥ずかしさまで追加されて柄にもなく慌てふためいてしまったのだ。
それくらいに俺にドアップをかましてくれやがったコイツは、
「すみません。驚かせてしまったようですね。……ですが、そこまでされると少々こちらも傷つくというものです」
「すまん。……あー、なんだ。古泉、おはよう」
「あ、おはよう。いつきちゃん」
「おっはよー!」
「えぇ。改めましてみなさんおはようございます。今日は見事な五月晴れですね。こういう日は賑やかに登校したいと思うのですが、よろしかったら仲間に入れていただけませんか」
同い年だというのにやたら丁寧な言葉を遣い、勉強運動パーフェクトな上に委員長まで務め上げていて、如何なる時も終始微笑みを絶やさないこいつは、
「別に構わないぞ。つうか、んなもん断らんでもいいだろ。好きにしろ」
「そうですよ。お友達じゃないですか」
「うんうん。みくるの言うとおりさね。キョンくんの他の男子からの恨みを考えるとごめんなんだけど、あたし友情って素敵だと思うんだよねっ!」
鶴屋にそういう台詞を吐かせるくらいに、ちなみに谷口的評価AAプラスくらいに、そこいらのやつらとは比べるのが酷というもんだという顔立ちをしているのである。
ぶっちゃけて顔が近づいただけで俺がどきっとするくらいに美少女なのである。
「ありがとうございます。それではお言葉に甘えまして」
「言葉以外に甘えたらみくるが泣いちゃうから気をつけてねっ」
「わーわー、何言ってるんですかっ」
「はい。心得ていますよ」
「何故俺を見る?」
「さぁ、何故でしょうか」
「キョンくんは知らなくていいのっ」
「もーおー! 二人ともー!」
温和な性格で友達も多く、みくると鶴屋とはその中でも特に仲が宜しいらしくこうしてときたま一緒になるのだが、さてこうも女が多いと肩身が狭い。
二人に弄られだしたみくるを何時もの事だと放置して、ここいらで谷口の無謀という名前の勇気を頼りにして「こっち来いよ」と念を視線に込めてみるのだが、
「――――」
口の動きだけで「マジコロス」と返された。放送するにはモザイク必須な顔を隣に居た国木田がまぁまぁと窘めているが、お前もこっちに来てくれない時点で俺的友情ランクはガタ落ちだぞこのやろう。
「はぁ」
友情ってそんなに素敵じゃないと思うぜ鶴屋と心中で愚痴りつつ、ため息ひとつ。
しょうがなく視線を三人よれば姦しいを体言してやまない方に向けるが、すっかり女同士の会話に夢中で俺は蚊帳の外のである。参加しろと言われても困るし、参加する度胸も意思もないのだが。
……まぁ目の保養にはなるか。
そんな悲しい結論を下して傍観者に徹する俺の頭の中からは、このときおでんの精霊のことなんぞすっぽり抜け落ちていて、その事を後悔するのはもうちょっと後の話になるな。
もう少しあの鼻ちょうちん娘のことを真剣に悩んでいれば、――あんなことにはならなかったのに。
自分のモノローグにあえて突っ込ませてもらおう。いったいどうなるんだよ、俺。